若い人の慢性的な肩こりは、ほとんどの場合、姿勢や眼精疲労、ストレスなどが原因となっています。
しかし、40代以上の方はそれに加えて、加齢が原因となっている可能性もあります。
また、セルフケアでは治らない病気が隠れていることもあるので、できるだけ早い段階で病院へ行くようにしましょう。
年齢を重ねると、内臓だけでなく、関節や骨などの運動器も老化していきます。
四十肩や五十肩は、加齢によって肩周囲に炎症が起き、動かしにくくなる代表的な症状ですが、これとよく似た病気もあります。
40代以上の方は、激しい痛みではなくても整形外科を受診するようにしましょう。
■四十肩や五十肩は放置すると長引く
40代、50代以上の方に多く見られる症状が、肩関節周囲炎です。
別名、四十肩、五十肩とも呼ばれるこの症状は、正しいケアをせずに放置してしまうと、回復するまでに半年から2年ほどかかってしまいます。
40代以上の方は肩周辺の痛みや動かしにくさを感じたらすぐに病院に行くようにしましょう。
服薬や注射、運動療法で早期に完治できます。
■痛くて眠れない時は肩腱板損傷を疑いがある
肩関節周囲炎によく似た病気として、肩腱板損傷が挙げられます。
異なるポイントは2つあり、1つ目は夜になると痛みがひどくなるということです。
2つ目は、動かした時に痛みはあるものの、腕が上がらないなどの症状はなく、我慢すれば動かすこと自体は可能だということです。
はっきりとした原因はわかっていませんが、肩の使い過ぎが発病要因の1つではないかと言われています。
四十肩や五十肩だと思って放置してしまうと悪化して、手術が必要になる場合もありますので、寝付けないほどの激痛がある時は整形外科を受診しましょう。
■突然の激しい痛みがある肩石灰沈着性腱炎
40代以上の女性に多く見られる症状です。肩腱板にリン酸カルシウム結晶が溜まってしまうことで引き起こされます。
1か月ほど強い痛みに襲われる急性型や、動かした時のみ痛む慢性型など、人によって症状の出方が分かれるのが特徴です。
急性型は夜中にいきなり激しい痛みが襲ってくるため、病院に行く人が多いのですが、慢性型ですと病気になっていることに気が付かないことがあるので注意が必要です。
自然回復することもありますが、リン酸カルシウム結晶が固まると再発する恐れもあります。
筋肉が固まって痛む場合は、マッサージなどで揉み解せば解消される場合がありますが、加齢が原因の場合は、肩周辺の組織が炎症を起こしているため、修復してあげる必要があります。
痛みが激しかったり、うまく動かせなかったりすると、日常生活にも支障をきたします。
中年期以降の方はすぐに病院に行く習慣をつけることで、早く快復できます。