年齢を重ねると、内臓の病気以外にもさまざまな不調が出やすくなります。
たとえば腰や膝などの痛み。動くことすら困難になりますが、あまり安静にしすぎていると、そのまま寝たきりになってしまう場合もあります。
そうならないためには、若いうちから骨や筋肉を弱らせない習慣をつけることが重要です。
身体を動かすために必要な器官である骨や筋肉、関節などのことを運動器と呼びます。
ロコモティブシンドロームとは、運動器に障害を抱えてしまうことで、立つ・歩くなどの行動に支障をきたしている状態のことをいいます。
痛みがあったり、思うように身体を動かすことができなくなると、家にこもりがちになったり、無気力になったりしがちです。
その結果、寝たきりや要介護になる危険性が高まります。
介護を必要とせず、自力で生活できる期間のことを健康寿命といいます。
日本人の平均寿命は80歳を超えましたが、筋肉や骨の量は40代以降、徐々に下降していきます。
健康寿命を延ばすためには、若いうちからしっかりとロコモティブシンドロームの予防をしていくことが大切です。
転倒が原因で運動器に障害を抱えてしまうことがあります。
年齢を重ねても転ばないようにするためには、足腰の筋肉を鍛えることと、バランス感覚を養うことが大切です。
ロコモティブシンドロームを予防するために、2つのトレーニングを日常的に取り入れてみましょう。
○スクワット
足を肩幅に開き、そのまま椅子に座るようなイメージでお尻を後ろに引きます。
この時に膝がつま先よりも前に出ないように注意しましょう。
1日に5回ずつ、3セットほどおこなうのを習慣にしましょう。
○片脚立ち
片方の脚を軽く上げて、1分ほど維持します。
これを1日に左右それぞれ3回ずつ繰り返すことで、バランス感覚を鍛えることができます。
転倒防止のため、必ず何かつかまるものがある場所でおこないましょう。
転倒が原因で運動器に障害を抱えてしまうことがあります。
どれだけ運動しても、しっかりとした栄養を吸収しなければ、健康な身体を作ることはできません。炭水化物やたんぱく質、脂質に加え、ビタミンやミネラルも積極的に摂取していくことが大切です。
また、食事をコントロールして、適正体重を保つようにしましょう。
太りすぎは関節に大きな負担をかけてしまいますし、痩せすぎは筋肉や骨が弱くなってしまいます。
身体に不調があると、行動するのが億劫になってしまいます。
そのせいで少しずつ身体を動かすことが減り、結果的に健康寿命を縮めることになるかもしれません。
将来寝たきりにならないためには、20代、30代のうちから運動や食事に気を配り、しっかり予防していくことが大切です。