変形性手関節症は、指の関節に痛みや腫れ、変形などが起こる病気です。原因は加齢だけではなく、手指の使い過ぎも挙げられます。
物を持つ、何かを作るなど、日常生活では手を使う頻度がとても高いので、手や指は酷使されやすい部位です。
変形性手関節症は、手指の第一、第二関節や親指の付け根が痛くなったり動かしにくくなったりする疾患です。
40歳以上の女性に多く見られ、ピアニストやタイピストなど、手をよく使う職業の方も発症しやすい病気です。
初期の段階では、手を酷使した後に痛みが出る程度で、湿布やマッサージなどで緩和していきます。
しかし、進行すると動かしにくくなるとか、関節の形が変わってしまう、といった症状が現れます。
変形性手関節症は、症状が出る箇所に合わせて3つの名称があります。
■へバーデン結節
第一関節の軟骨がすり減ることで発症します。曲げたり伸ばしたりすると痛みが起こり、赤く腫れることもあります。
痛みは薬で抑えられますが、変形すると元には戻りません。日常生活に支障をきたすほど状態が悪くなっている場合には、手術が必要になることもあります。
■ブシャール結節
第二関節に症状が出ている状態のことを言います。ほかの2つに比べると、単体での発症率は高くはありませんが、へバーデン結節と一緒に発症することが多いのが特徴です。
■母指CM関節症
親指の付け根に症状が出ている状態のことを言います。
最初は親指を動かす、物をつまむなどの動作で痛みや腫れが生じますが、進行すると動かしていない時も常に疼痛が出るようになります。
リハビリで痛みが引かない場合は、手術が必要になりますが、手術の方法によっては、可動域が狭くなってしまうこともあります。
手における変形性関節症は症状が起こる関節によって3つの名称がありますが、基本的にはすべて加齢や使い過ぎが原因で起こる疾患です。
普段から手を使うことが多い人は、作業の間に休憩を挟んだり、マッサージをしたりして、手をいたわってあげましょう。
タイピングや編み物など細かい作業をすることが多い人は指先が、スポーツや力仕事が多い人は親指の付け根に負担がかかりやすいので、特に注意しましょう。