歩いていると腰や足が痛い、あるいはしびれるといった症状が出ている方は、脊柱管狭窄症の可能性があります。また、初期症状が似ている閉塞性動脈硬化症は、命にかかわることもある疾患ですので、注意して見分けましょう。
背骨の間には、血管や神経が通っている脊柱管という空間があります。
脊柱管狭窄症とは、加齢や重労働のし過ぎなどが原因でこの空間が狭くなる疾患です。
血管や神経が圧迫されるため、下半身の痛みや足のしびれ、歩きにくいなどの症状が出ます。
また、糖尿病を併発している可能性があります。遺伝的な要因も考えられますので、身内に糖尿病を患っている方がいるなら、内科も受診してみましょう。
軽度の場合は薬を飲む、患部を温めるなどの治療法で症状は緩和します。
根本的な解決のためには、ストレッチなどの運動療法をすることが重要です。
注意すべきポイントは、正しくおこなわなければ逆に悪化させてしまうということです。自己判断せず、医療従事者の指示に従いましょう。
脊柱管狭窄症と間違いやすい病気に、閉塞性動脈硬化症があります。
閉塞性動脈硬化症は、悪化すると手足の指が壊死してしまい、命にかかわる大変恐ろしい病気です。
初期症状はよく似ていますが、異なる点がありますので、閉塞性動脈硬化症に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
■痛みやしびれが出る距離は一定か
どちらの疾患も、歩いている最中、下半身に痛みやしびれが現れます。脊柱管狭窄症の場合は距離に関係はなく、規則性はありません。
一方、閉塞性動脈硬化症は一定の距離ごとに痛みやしびれが出るという特徴があります。>
■足の脈と毛に注目する
閉塞性動脈硬化症だった場合は、足の脈が弱くなったり、左右で違ったりします。人によっては脈がまったくなくなることもあるようです。
また、足指の毛が生えてこなくなったら、閉塞性動脈硬化症が疑われます。
■自転車に乗った時は痛みやしびれが弱まる
歩いている時には痛みやしびれが強くても、自転車に乗れば症状が軽くなるのなら、脊柱管狭窄症だと考えられます。
下半身のしびれや痛みという症状が出たら、閉塞性動脈硬化症に当てはまらないかをチェックしてみましょう。
脊柱管狭窄症と考えられる場合でも、放置しておけば日常生活に支障をきたすことがありますので、医療従事者の元で正しいリハビリをすることが大切です。