一過性のものではなく、膝や手などの同じ部位が慢性的に痛むなら、変形性関節症になっている可能性があります。
発症しやすい部位は、それだけ酷使されているところですので、常日頃からいたわることが予防への第一歩です。
関節関連のなかで、もっとも発症件数が多い疾患です。
原因は加齢や負荷のかけすぎなどが挙げられますが、はっきりとした要因がわからない場合もあります。
軟骨がすり減ることで骨がぶつかり合い、摩擦痛が起こります。
最初は動かした時に痛む運動痛が主な症状です。ほかにも、腫れや動かしにくさなどが出ます。
湿布を使う、温める、などの方法で一時的に状態が緩和するため、普通の関節痛と思って見逃してしまいがちです。
進行するとじっとしていても痛くなり、変形が起こります。
変形した関節は元の状態には戻せませんので、日常生活に支障が出る前に病院で対処することが大切です。
セルフケアで一時的によくなったように思えても、慢性的な痛みが続くようなら、医療機関の診察を受けましょう。
立つ、歩くなどの動作をおこなうだけでも、身体全体を支えている部位には大きな負担がかかります。
そのような箇所は特に、この疾患を発症しやすいと言えます。具体的には膝、股関節の2つです。
これら広い部位は、周りの筋肉も大きいので鍛えれば関節の負荷は軽くなります。無理のない範囲でトレーニングしましょう。
この疾患は、関節の使い過ぎが原因でも発症します。書き物やパソコンのタイピングなど、細かい手作業をする機会が多い方は、手指の発症に注意が必要です。
長い時間ずっと作業を続けるのではなく、こまめに休憩と簡単なストレッチを習慣化すれば、予防に繋がります。
現在の医療では、この疾患を根本的に完治させることはできません。
しかし、服薬や運動、装具利用などのリハビリをおこなうことで痛みや腫れは治すことができます。
早い段階で治療を開始すれば、ほとんど支障をきたすことなく日常生活をおくることができます。
症状がかなり進行している場合は、手術をおこなうことがあります。
主に、骨を切って繋げる手術と人工関節を入れる方法があります。また、変形した骨がトゲのようになって飛び出すことがありますが、それを切除する方法もあります。
変形性関節症は、はっきりとした原因もなく発症することがある疾患です。
年齢や体質、生活習慣などで発病確率が低いと思っても、慢性的に痛む部位がある場合は病院に行きましょう。大抵は薬や運動をおこなえば症状は緩和します。