リウマチの治療

初期段階でリウマチと診断された場合、手術をせずに症状を抑えることが可能です。
完治させるための治療法はまだ見つかっていませんが、薬やリハビリを習慣化していけば、ほとんど発病前と変わらずに生活できる方もいます。

薬物による治療

関節リウマチは自己免疫性疾患と呼ばれる病気です。体内に入ってきた細菌やウイルスを排除してくれる免疫に異常が現れ、逆に自分の身体を攻撃してしまうことで、関節や骨などを破壊してしまいます。
この働きに密接に関係しているのがサイトカインという物質です。

サイトカインは身体を守るための大切な物質ですが、免疫性疾患になると増えすぎてしまい、それが関節や骨を壊す原因であると考えられています。薬物療法では、鎮痛剤やステロイド、抗リウマチ薬のほかに、サイトカインの働きを抑制する薬も使われます。

この薬は非常に効果があり、7割以上の患者に有効と言われています。
しかし、ほかの薬も同じですが、副作用や感染症を引き起こす可能性がまったくないわけではありません。
医師の判断を仰ぐだけでなく、自分自身でしっかり薬を理解し、管理することが大切です。

リハビリによる治療

薬物療法や手術など以外の側面から治療する方法がリハビリテーションです。
適度に運動する習慣をつけ、状況に応じて温めたり冷やしたりすることで、症状が緩和し、症状の進行を抑える効果があります。

■運動療法はリハビリ体操が基本
投薬と並行しておこなう治療法に、リハビリがあり、代表的なのがリウマチ体操と呼ばれるプログラムです。
足や首、肩など大きく動くものもあれば、指先でつまんだり足指を開いたりする細かい運動もあります。
関節が固まるのを防ぐ効果が期待できますので、無理をしない程度に、できるだけ毎日おこなうようにしましょう。

■温めるか冷やすかは状況によって変わる
基本的には、関節痛は温めたほうがよいとされています。しかし、炎症を起こしている時は冷やすようにしましょう。
熱が引いて慢性的な痛みに変わってから、入浴や蒸しタオル、温湿布などを利用してしっかり温めるようにしましょう。

リウマチは不治の病だと思われていた時代は終わりました。
残念ながら特効薬はまだありませんが、薬やリハビリを続けていくことで症状の進行をかなり抑えられます。
諦めずに根気よく治療を続けていくことが、この病気と向き合っていくうえでとても大切なことだと言えます。